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本を読まない多田野オタクと彼の読書の年①

こんにちは。仕事バックれたサイトーです。読書の秋ですね。みなさん本を読んでいますか。

今日は本を読むのが苦手なオタクでも面白く読めた本を紹介しようかなと思います。

 

私は元来本を読むのが苦手(集中力がない)でして、高校生まで読書感想文のための本しか読んだことがありませんでした。このままではまずいと思い、高校三年生の秋ごろ、ちょうど10月の空気に冬の予感が混じりだした頃、本を読もうと決意しました。私は家から少し遠い(片道1時間くらい)田舎の高校に通っていたので、行き帰りのバスの中で読むことにしました。ほとんどの場合寝落ちしていつのまにか終点に着いていましたが…幸運なことに、友達も少なく部活にも入っていなかったので時間はありました。…自分語りはここまでにして早速紹介を始めましょう。

 

羊をめぐる冒険 著:村上春樹

 

羊をめぐる冒険(以下、羊)は、村上春樹によって生み出され、講談社から1982年に出版された上下2編構成の長編小説です。風の歌を聴け、1978年のピンボールに次ぐ彼の3作目の長編小説です。これらは初期三部作と呼ばれることが多く、主人公の僕と友人の鼠が共通して出てきます。それと、女の人たち。のちにエッセイで少し読んだのですが、村上春樹はこの頃まだ苗字を持った登場人物が生み出せなかったそうですね。私は本を読み始めるにあたって、まずは有名な人の作品から読んでいくか、と考えました。それまで読書経験がない以上、こういうのが読みたい、という選好も生じないので他人の評価を信じるしかなかったのです。結局、その時のその選択は正解でした。つまり、村上春樹は僕の最も好きな作家の一人になったのです。

僕はどうせ読むなら最初の作品から読もうと思っていたので、風の歌を聴けから読み始めました。1978年のピンボールまで読んで、この作品を手に取りました。

1978年のピンボールまで、村上春樹は専業作家ではなくバーを経営しながら小説を書いていました。村上春樹が大学にいたのは大学闘争の嵐が吹き荒れていた頃で、彼もまた所謂まともな大学生活は歩んでいません。学生結婚ののちバーを経営しながら小説を書き始めたのです。大学は、働きながらも卒業しています。ちなみに、早稲田大学の坪内博士記念館は村上作品に出てくる図書館のモチーフだと言われており、私も2回ほど訪れました。その時のことはまたブログにするかもしれません。ちなみに、今まで述べてきたような、彼が小説を書き始めた頃のことや専業作家になること、海外に進出するようになった際の数々のエピソードは「職業としての小説家」に詳しいのでぜひ読んでみてください。また、必須では全くありませんが、是非他の初期三部作も合わせて読んでいただきたいと思います。それぞれ週末に読み終えられるくらいの量ですので。

話が逸れました。色々言いたいことが次から次へと出てきてしまうので…すみません。要するに、この作品は彼の専業作家としての初めての作品で、長さも前2作品よりだいぶ長くなっていますが、その分面白くなっています。風の歌を聴け、を読み終えた時、正直私は村上春樹ってこんなものなのか、と思いました。読み終えた時、なんだったんだこれは?という感想しか持てなかったのです。というのもそれは具体的なプロット、ストーリーといったものが存在しているとは到底思えない代物だったからです。しかしここで私が彼の作品を読むのをやめなかったところに彼の凄さがあると思います。なにか都会的なものを感じる冷めた登場人物たち、リズミカルな文体、ジャズ、レコード…時代を感じるものもあれば、時代が変わっても変わらない若者たちの姿もあります。そして、何が何だったのか、何が伝えたかったのか、よくわからないのに妙に心地の良い読後感。村上春樹は文章で一番大事なのはリズムだと言っています。これはまさに私が日頃から考えていたことでもあるのでそれを読んだときにはとても驚きました。そして私はジャズやピアノが好きですし、風の歌を聴けに出てくるビーチ・ボーイズのカリフォルニア・ガールズも小学生から聞いていた曲でした(父親の影響で)。また、ひどくクールでときにシニカルな登場人物たちも少し斜に構えた当時の私にぴったりでした。違うのは、村上作品の主人公はなんでもそつなくこなす魅力的な人物で、現実には私は真逆、ということだけでした(悲しい)。とにかく、そういった理由で僕は村上春樹が好きになりました。ちなみに、中期以降の作品より初期の方の作品が好きだったりします。最終的には村上作品を全て読みたいと思いつつなかなか時間が取れていません。時間はあるはずなんですけどね。最後、話が逸れましたが、とにかくおすすめの作品です。

 

ここまで書いたら疲れてしまったので、とりあえず今日はここらで勘弁しておきます…

今後のラインナップ(予定)はこちら↓

いつか書きたい(怪しい)ですが、いつまでも出なくても許してくださいなんでもしますから。本当におすすめの本は、言うのに勇気がいるし、適当に書きたくありません。だから、時が来たら書きます。

 

②哲学の謎  著:野矢茂樹

二冊目は野矢茂樹による哲学の謎という本です。新書形式で、講談社から出ています。

 

他にもありますがとりあえずこれだけ。